徒然なる儘に ・・・ ④

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細川護熙元首相が語る政治改革30年 「金権政治はダメ」旗を掲げよ 聞き手・松井望美 鶴岡正寛2024年1月29日 9時00分

 政治資金の規制と衆院小選挙区制導入を柱とする「政治改革」に、非自民連立政権の細川護熙首相と野党・自民党河野洋平総裁が合意して、29日で30年。細川氏にインタビュー取材し、自民派閥の裏金事件を受けて今国会の政治改革論議に求められることや、非自民の「受け皿」などについて聞いた。

 ――30年前の政治改革で企業・団体から政治家個人への献金を禁止しましたが、政治資金パーティー券購入などの「抜け道」が利用され、自民派閥のパーティーをめぐる裏金事件が起きました。

 私は政治改革合意後、すぐ退任してしまったので後の政治家にお任せするしかなかった。政治改革以後は企業献金が2分の1から3分の1に減り、大規模な疑獄事件も姿を消したが、網の目の粗い部分も確かに残っている。それについてはいずれ秩序ある規制がなされていくと期待していた。しかし、その後ずっとほったらかしにされて規制がされてこなかったのは政治の怠慢で、大変遺憾だ。「何をしているんだ」という思いがある。

 当時の政治改革で企業・団体からの資金は、政治家個人への寄付を禁止したので、政治資金パーティーに流れることはある程度予測していたが、まさか派閥の「キックバック(還流)と(収支報告書)不記載」というシステムが出来上がるとはまったく予測していなかった。安倍派をはじめ、派閥の体質がもたらした問題だ。政治資金の制度の点検とともに、派閥の検証もきちんとやってほしい。

 ――派閥の問題では、岸田文雄首相が岸田派解散を表明し、安倍派と二階派も続きましたが、内閣や自民党の低支持率が続いています。首相やこれら三派のことをどうみていますか。

 派閥が今までやっていたカネ集めや大臣の人事の差配などをもうやらなくなるのであれば、意味があると思うが。人の集まりがすぐできるのであれば、意味がないと思う。派閥は自民党の教育システムだと言うが、順番待ちの政治家を作り出しているだけだ。日本新党出身の政治家たちは今や与野党、中央・地方で広く活躍しているが、政治は旗を立てることという日本新党の教訓をしっかり受け止めてくれているからだろう。自民党の派閥の教育システムでは、凋落(ちょうらく)する日本は救えない。

 岸田首相がしていることは、仮に一日でも長く権力の座にありたいと思ってのことであれば、それはダメだ。国民の心に響くことを首相が本気でやれば、支持率は黙っていても上がる。

 ――政治改革合意に戻ります。当時、政党交付金を導入した代わりに、政治資金パーティーの全面禁止まではできなかったのですか。政治家はパーティー収入と政党交付金の「二重取り」をしているという批判があります。

 蛇口をすべて閉めて公的助成(政党交付金)だけにしてしまうのは、きつすぎるという感じがあったから、蛇口を少し開けておいた。また、リクルート事件などを受けて企業との「癒着防止」のためにまずは政治家個人への企業・団体献金を禁止しなければならず、そこまで持っていくのも大変だったので、パーティー禁止まで一気に進めることはできなかった。パーティーは、券購入者の公開基準を100万円超から20万円超に引き下げただけで、存続させた。我々政府案は5万円超、自民案は50万円超だったが、与野党間の協議で20万円超に落ち着かせた。

 蛇口をその時は閉めることができなかったが、政党交付金との二重取り批判ももっともなので、今からはもう閉めてもいいと思う。

 ――蛇口を閉めて規制しても、政治家が表面化しないよう水面下で裏金作りをするのでは、という疑念が消えません。

 確かに政治家は抜け道を考えることが得意だが、抜け道をふさぐ改革の柱の一つは「監査」をきちんとすることだ。

 パーティー券購入者の公開基準を20万円超から5万円超に改めたところで、監査が不十分であれば無意味だ。他国と比べ、現在の日本の監査では、帳簿と領収書が合っていればOKになってしまう。使途が政治活動として適切かチェックしていない。もっと実質的な監査制度を導入する必要がある。

 さらに政治家のカネなどをチェックするための最良の処方箋(せん)は、政権交代を目指すことだと思う。世の中を変えるために、政権交代に勝るものはない。

 ――政治改革では衆院小選挙区制導入も合意し、政権交代が2度起きました。しかし、2012年以降は「1強多弱」と呼ばれる状態が続いています。

 嘆かわしいことだ。日本の政治のために良くない。

 再び野党が「政治改革政権をやろう」と一緒になったら、30年前のように面白い状況が生まれるのではないか。細川政権の8党(派)の時は非自民・非共産だったが、今度は共産党だって一緒にやったほうがいい。そのくらいまでも包含するような政治改革政権を目指すのがいいのではないか。

 ――しかし、細川政権の時のような「非自民」の受け皿に、今の野党はなっていません。立憲民主党泉健太代表が政治改革や教育無償化などを柱に、日本維新の会国民民主党などへ連携を呼びかけていますが、憲法やエネルギーなど重要政策での一致がなければ「野合」との指摘もあります。

 (野党各党は現状で)いろんなことを言っているから、(政権交代に)本気ではないと思われ、まとまらない。はじめから安保だ、エネルギーだ、教育だと言ったら、まとまらない。自民党金権政治はダメだという1本の明確な旗を掲げてやっていくことに尽きる。

 ――有権者は、今回事件を受けて次期衆院選に向け、政治とカネの問題をどう判断すればいいでしょうか。

 自民党はこれまで事件があると、「変わる」と選挙で言ってきたが、結局変わらなかった。今後の選挙でも、有権者は目を凝らして、本当に変わるのかを確認してほしい。(聞き手・松井望美、鶴岡正寛)