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「原点回帰」強める公明 武器輸出めぐり主張譲らず、迫る「2月末」 田嶋慶彦 高橋杏璃 国吉美香2024年2月10日 20時00分

 日英伊が共同開発する次期戦闘機の日本から第三国への輸出解禁をめぐり、自公対立が深まっている。公明が解禁に慎重姿勢を強める一方、岸田文雄首相は今月内に解禁容認の結論を出すよう国会答弁で求めるのみで、局面打開の動きは見えない。背景に、自公の調整機能の不在と首相の求心力低下がありそうだ。

 次期戦闘機の輸出解禁問題では、公明トップ自らが発信を強める。公明の山口那津男代表は9日、記者団に「ルールをどう変えるのか、その理由は何なのかを国民に分かるように示していくことが大切だ」と述べ、首相側に改めて注文した。

 政府与党は昨年12月、武器輸出を制限する政府の防衛装備移転三原則や運用指針を改定した際、部品の第三国への輸出を解禁した一方、完成品の扱いは結論を先送りした。自公の実務者協議は7月、いったん「第三国にも直接移転できるようにする方向で議論するべきだという意見が大宗(大勢)を占めた」との中間報告書をまとめたものの、公明側が11月末以降に態度を硬化させたためだ。

 このため、今年に入り、実務者協議は一度も開かれていない。自民側から「一度、『大宗を占めた』のに、何なんだ」「連立を解消してでも進めるべきだ」と不満の声が上がる。

 自民議員に問われるかたちで、首相は5日の衆院予算委員会で「3月以降、開発企業間で作業分担の協議の本格化が見込まれる」と答弁。「2月末」までに与党内で結論を出すべきだと与党側に求めた。「移転にあたっては厳格に審査し、かつ移転後の適正管理を確保する。平和国家としての基本理念に反するものではない」とも強調した。

 だが、山口氏は翌6日の記者会見で「(戦闘機の第三国への輸出は)重要な政策変更だ。国民の理解に至っていない」とすかさず反論。2022年にF2戦闘機の後継機の共同開発を決めた際、政府与党内で共有していた認識について、「第三国に完成品を輸出しないという前提だった」と首相側に釘を刺した。

 両党首が空中戦を展開している状況に、ある自民実務者は「首相は政治家として弱い。『お願いします』と自分で言わないと」と嘆く。首相が両党に結論を出すよう指示した「2月末」まで、残された時間は少ない。

「重層的」な自公関係が機能不全に

 自公対立には二つの要因がありそうだ。一つが自公間の政策調整ラインの機能不全だ。自民と「平和の党」を党是とする公明は、安全保障政策などをめぐり、たびたび対立を繰り返した。しかし、そのたびに落としどころを探る交渉のパイプが機能してきた。

 安倍政権下の2014年の集団的自衛権行使を認める憲法解釈変更では、自民の高村正彦副総裁(当時)と公明の北側一雄副代表が水面下で協議を重ね、武力行使条件の「新3要件」の政府原案により厳しい歯止めの表現を入れることで妥協。また、軽減税率などの政策や選挙で利害が対立すると、公明の支持母体の創価学会に太いパイプを持つ菅義偉官房長官(同)が調整に乗り出した。

 自公関係ではかつて「悪代官と越後屋」のニックネームで知られる「自民・大島理森―公明・漆原良夫」の国対ラインも機能していたが、こうした役回りをする自民幹部が岸田政権ではいない。次期戦闘機の輸出解禁をめぐる自公対立に、公明元議員は「重層的だった自公関係が機能していない」と指摘。自民中堅も「自公間のパイプが弱くなり、官邸側も公明を気遣いながら進める姿勢がない」と認める。

 二つ目が、自民派閥の裏金事件などで内閣支持率は下落し、首相の求心力も低下する中、政権内で公明側が発言力を強めている点だ。東京都八王子市長選で自公推薦候補が競り勝ったのも、公明の自信を深めた。公明ベテランは「総理の求心力も低下しているのに、なぜ強気な態度なのかが不思議だ」と容易に妥協する気はない。公明が「原点回帰」的な主張を強めていることに、創価学会池田大作名誉会長の昨年11月の死去を遠因にあげる学会関係者もいる。「池田氏は党の創立者で精神的支柱だった。(学会内の)移行期のいま、戦闘機を輸出するような大転換を決断するのは難しい」と吐露する。(田嶋慶彦、高橋杏璃、国吉美香)