日本国憲法は施行77年を迎えた。厳しい安全保障環境を踏まえれば、日本の国と国民を守るために憲法改正が今ほど必要なときはない。にもかかわらず、国会の取り組みが遅々としているのは極めて残念だ。
国会は改正原案の起草委員会を急ぎ設置し、改憲へ進んでもらいたい。同時に、内閣も憲法改正に関する専門機関を設けるべきである。
憲法改正の「一丁目一番地」は、憲法第9条のもたらす弊害を取り除くことだ。世界の他の民主主義国と同様に、日本も国家国民を守り、国際秩序を擁護する「軍」を整えることが改正のゴールの一つといえる。その前段階として、国防を担う自衛隊の憲法明記も意義がある。
自衛隊明記は意義ある
戦後の平和を9条が守ってきたとみなすのは間違いだ。自衛隊と米国との同盟が侵略を抑止し繁栄の土台となってきた。
それがわからない左派勢力は9条を金科玉条として、日本と国民を守る防衛力の充実に反対してきた。日本を侵略しようとする国を喜ばせる条項は百害あって一利なしである。
改正が急務なのは9条にとどまらない。平成、令和に入って震災などの大災害が相次いでいる。平時の統治機構が麻痺(まひ)する緊急事態に直面しても、政府や国会が国家国民を守り抜く行動をとれるかが問われている。憲法への緊急事態条項の創設は欠かせない。
憲法を改めるかどうかは国民投票で決まる。だが、憲法が施行されて77年たっても国民はこの大切な権利を一度も行使できていない。憲法を改めていけば、国民を守る日本へ生まれ変われるのに国会での論議は足踏みしている。国会議員は恥ずかしくないのだろうか。